マルズログ

 ランニングと日々の雑記帳

丹後ウルトラマラソン

9月14日、まだまだ暑いこの時期にウルトラマラソンとは・・・、

海岸沿いのロードから高低差400㍍、10㌔にわたる「碇高原」越え、

前半の「七竜峠」のアップダウンと、四カ所の関門、29箇所の給水ポイント、

「碇高原」の長い登りと、風光明媚な変化に富んだコースだが、

次々と出てくる課題をはたしてクリアーできるのか、

ランナーの全能力を試される過酷なレース。

55㎞の第二関門へどれくらいのタイムで入ればいいか、

前半おさえ気味で行っても、核心の「碇高原」の登りでは余裕が欲しい、

そうなると前半でタイムを稼がないといけない・・・

いろいろ考えてしまうが、始めてのコースは何もかもが手探りで、

全く予測がつかない。

それもレースが始まれば、目前の課題をクリアーしていく他にない。

 

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スタート時点は小雨がぱらついて、気温はかなり低い。それもそのはず、

まだ夜中の4時半だ。明るくなるにしたがって天気はよくなってきた。

30㌔の第一関門まで、給水はまめに取っていったが、ちょっとオーバーペース、

6分/㌔を刻んでいた。(29.8㌔) 通過タイム3時間17分

ここは7分/㌔でよかった・・・、

そのためか、45㌔付近でいきなり左足が痙攣して、

つぎの「あじわいの郷」51 ㌔給水ポイントでかなりのロスタイム。

これで、55 ㌔第二関門「弥栄庁舎」通過が予定より30分遅れた。
「碇高原」の登りを前にこの遅れは大きい・・・
それを考えると、ここでゆっくりレストしてる時間はなかったが、
足がつぶれてしまえば、核心も何もあったもんじゃない。
まだここは55㌔、コースの半分だ・・・
やっぱり預けた荷物を回収して、予定通りレストすることにした。
靴下も履きかえ、エイドの「ばら寿司」も食べた。
 
いよいよこれから、核心の登りがはじまった。
まだ傾斜は緩やかだが、だらだらと長くて、これが結構きつい。
 歩きだすランナーも増えてきた。
63.7㌔「新中津橋手前」エイド、経過タイム(44分)<第二関門より>
以外にも、この間、6分/㌔をきっている。遅れをとりもどそうと焦ったのか、
またペースオーバーだ。このペースではとても足がもたない。
傾斜がきつくなるにしたがい、案の定ペースは極端に落ちた。
まわりのランナーはもうほとんど歩いている。
自分ペースも歩きとそれほど変わらない。
ここでゆっくり走ってきたランナーに抜かれたが・・・
差はあまりつかない。みんな同じようなペース。
67㌔「芳野」エイド 経過タイム(32分)<前エイドより>、
total(9時間41分) 現在期間<14:11>
ここで第三関門「碇高原」の制限時間を確認すると、
<14: 50>!・・・逆算するとあと39分、残り6.2㌔だ。
6.5分/㌔をきって行かないと間に合わない!・・・
70㌔まではまだまだ登りが続く・・・
今のペースは8分/㌔がいいところ、
この足で、これから6.5分/㌔はまず無理だ・・・、
その時点で残念だが届かない ことを確信する。
70㌔ポイントまではあきらめないで行こうと思ったが、
足は思うように動かない。それでもタイムアウトにはならずに通過して、
発信音が鳴ると同時にこのレースが終わった。
 
そのあと、前方にひとりのランナーがもくもくと関門めざして歩いていたが、
うしろを振り向くと誰もいない。
みんな迎えの収容車両に乗ってしまったのか・・・
やがて「碇牧場」の柵 の前まで来ると、いきなり後ろから声がして、
誰もいないと思っていたのに、収容車両に乗らない意地っ張りランナーが
他にもいた・・・ 地元、網野の女性ランナーだった。
「知人や親戚の応援を朝からずっと受けてがんばってきたけど、
仲間のうち自分だけが第三関門でタイムアウトになって・・・、
もう皆に会わす顔がない・・・」と、顔は笑っているが本当に悔しそう。
前を歩いている「オヤジ」をみつけて声をかけてくれたのだろう。
 
「碇高原」の関門には二台の収容バスが停まっていて、
我々が着くと同時に一台が発車して、あたりは人影もまばら、
さっさと残りのバスに乗り込むと、彼女は前の座席に沈み込んでしまった。
バスは途中の給水ポイントでリタイアしたランナーを収容していく。
90㌔過ぎで乗り込んでくるランナーもいる。
ここでリタイアとは・・・、
いまこの90㌔という距離は、70㌔からすると雲をつかむような感じで、
わからない・・・、途方も無く遠いようで・・、すぐ近くのようで・・・、
でも、本当にすごい・・・、それに、彼らの表情に悔しさは見えなかった。
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「アミティ丹後」に戻ると、会場はサポーターや応援の人達で騒然とする中、
60㌔ランナーに混じって100㌔ランナーもつぎつぎと帰ってくる。
宿の車が迎えにくるまで、待望のビールと引換券でもらった焼きそばをいただき、
帰ってくるランナーを出迎える。
自分はできなかった完走だが・・・ゴールシーンはやっぱり感動だ!
翌日、「八丁浜のシーサイドパーク」で、サーファーのライディングを見て、
「朝茂川漁港」の温泉「静の里」に寄って帰路に着いた。